▼ レビュー
著者は20年間にわたって、スモールビジネスを対象にした経営コンサルティング活動を行ってきた。アドバイスしてきた企業は25000社にも及ぶ。本書はその経験を生かし、職人の視点からスモールビジネスが失敗しがちな原因を分析。そのうえで、成功するためのノウハウを明かした本で、それが全米でもベストセラーになった大きな要因だろう。
本書によると、米国では毎年百万人以上の人たちが会社を立ち上げる一方、1年目に40%、5年目で80%以上が姿を消しているという。その多くは「事業の中心となる専門的な能力があれば、事業を経営する能力は十分に備わっている」という誤った仮定で事業を始めるからだ。実際には専門的な仕事をこなすことと、事業を経営することは全く別の問題だと述べる。
帳簿をつけたり、人を雇ったりと、これまでに経験がないような仕事がわき出してきて、本業に手が回らなくなる。そうならないためには、収益を生み出す事業を定型化して、パッケージにしてしまうことが大事だ。つまり、自分がいなくても、ほかの人が同じように事業を回せる仕組みをつくることだという。そして、「どうすれば、ほかの人に任せても、事業は成長するだろうか?」などの質問を投げかけ、目標設定や組織戦略、人材戦略など、具体的なノウハウを解説していく。
▼ カスタマーレビュー
▼ 涙が出ました・・・
おすすめ度 :
★★★★★
個人事業者の現状を北米の状況とは言え、これほどみごとに言い尽くした本を知りません。その解決法には一定の限界もあるのでしょうが、問題を細分化し、括弧撃破すると言うマネジメントの常道をきちんと踏んでおり、信頼できます。
▼ 入門書としては、GOODですが・・
おすすめ度 :
★★★☆☆
起業して失敗する、代表的パターンが、物語風にまず書いてあります。起業の成長期に、マネジメントのためのシステムが出来上がってないことです。それを防ぐために、フランチャイズシステムシステムに、ビジネスモデル(仕事の仕組み)のキモのキモみたいな所を学び、その例から、自分で起業し、事業を軌道に乗せるには、何を考えていく必要があるか?を説いた本です。
業種、業態に特化せず書かれてますし、読みやすく取っ付きやすい本です。わかりやすく、丁寧に書かれているかわりに、事業をまわす仕組みの1つ1つのパーツの内容は、薄いです。入門書としては、GOODだと思いますが、この分野の本を数冊読まれた方には、ちょっと、物足らない本であると思います。
▼ 経営について考え直すのに最高の教科書
おすすめ度 :
★★★★★
一期一会という言葉があります。茶道で、人と人の出会いを大切にする意味合いで使われたようですが、私にとって、この本、言い換えれば著者のマイケル・E・ガーバーとの出会いも、同じ重みで感じられる今日この頃です。仕事柄、本はよく読むほうだと思うのですが、なかなか人に勧める気になれる本に出会うことはありません。
この本も、タイトルが気に入って、何となく手にしたのですが、読み進むにつれ、私のこれまでの、モヤモヤとした考え方を見事に整理してくれました。もちろん、書いてあることは、はっきりといって、たいした内容ではないかもしれません。しかし、事業発展プログラムとして、まとめられてくると、そのひとつひとつが重みを増してくるんですね。
原理原則に基づくというか、基本に戻って何かに取り組むという姿勢は、考えてみれば、今の日本で最も求められていることではないかと思います。その意味で、この本をあえて、教科書と呼んでみました。 私たちは、情報過多の世界で、あまりにいろいろと考えさせられ、ある意味で迷子になっていたのではないかとさえ思いました。
簡単だけど、大切なこと。この本はそんな経営の原点を教えてくれると思います。
▼ 起業家必読書
おすすめ度 :
★★★★☆
起業を目指す人。或いは起業して行き詰まってしまった人。そんな人たち全員にお勧めの本。
誰もが終始起業の炎を燃やし続けていれるわけではない。時として自分の仕事をただしていたいだけの事もある。いや、実はその度合いの方が大きいかも知れない。
「職人」「マネージャー」「起業家」この三つの要素を人は併せ持っている。そして、起業家の要素がある日突出してしまって起業を企てる。その先、この三者がそれぞれの立場を巡ってせめぎあう。さて、どうやって成長路線にのせ維持していくかのヒントが満載。これは読むしかないでしょう。